w=m^2
翻訳の添削をしていると、「意味は合っているけど違和感がある」といった表現に遭遇することがあります。極端な例として、「こうしたら、性能がすごく良くなる。」を「これにより、性能が著しく向上する。」と添削したとします。意味は同じじゃないか、と言われたときに、このような修正の正当性...
これは誰の本?
「の」は、通常、所有格を表す格助詞です。「父の本」は、「父が所有する本」と解釈することが自然です。しかし、もし、話し手の父が太宰治だったらどうでしょう。「父の本」は、「父が書いた本」かもしれませんし、「父について書かれた本」の可能性もあります。「の」は、広義に解釈でき、便利...
主語があればいいという誤解
「日本語は主語を省略できる」ということは、ご承知の通りです。普段の会話では、一々「私は」「あなたは」などと言い合っているとやかましくて仕方ありません。「明細書で主語を省略すると翻訳者が困る」と明細書の書き手を指導して下さる方もいます。実際には、翻訳者は、形式的に主語がないと...
イヌと猿
日本語は世界でも希なほど表記が複雑な言語として知られています。漢字、平仮名、カタカナに加えて、アルファベットも違和感なく使用されていますので、1つの語彙をどのように表記するかで迷うことも多くあります。「漫画」と「マンガ」では、微妙にニュアンスが違いますし、「犬」と「いぬ」と...