これは誰の本?
- ito017
- 2016年7月4日
- 読了時間: 1分
「の」は、通常、所有格を表す格助詞です。「父の本」は、「父が所有する本」と解釈することが自然です。しかし、もし、話し手の父が太宰治だったらどうでしょう。「父の本」は、「父が書いた本」かもしれませんし、「父について書かれた本」の可能性もあります。「の」は、広義に解釈でき、便利な助詞なので、どうしても多用したくなりますが、その反面、実際の意味を曖昧にしてしまう可能性を孕んでいます(英語ではofがこれに近い性質を有しています)。 単純な所有格の意味では、「の」を使うしかない状況が多いわけですが、「の」にそれ以外の意味を持たせている場合は、「太宰治が書いた本」、「太宰治の作品に関する本」のように、面倒でも誤解がないように書いた方が、読み手にとっては親切なのかもしれません。
最新記事
すべて表示特許業界では既にご存知の方も多いと思いますが、高度言語情報融合フォーラム(ALAGIN)と日本特許情報機構(Japio)が主催する産業日本語研究会が発行する「特許ライティングマニュアル」というマニュアルがあります。産業日本語研究会のウェブサイトから無料でダウンロードできます...
「言語の冗長性とAI」の稿で、日本語は、AIにとって解釈しやすい言語だと書きました。もちろん、AIにとって解釈しやすい日本語は、正しく簡潔に書かれている場合に限られます。書き手の癖が強かったり、「てにをは」が拙かったりすると、AIの誤読も当然多くなります。 ...
数学では、a(x+y)と、ax+yでは、意味が全く違いますし、これが曖昧では数学自体が成り立ちません。一方、自然言語は、数学のような厳密さを備えておらず、様々な誤解を発生させます。 「AであるXのY」というフレーズのAがXを修飾しているのか、[XのY]を修飾しているのかは、...