方法を構成するステップ
方法クレームは、~するステップ(工程)と、~するステップ(工程)と・・・といった具合に、発明の構成要素をステップで示すことが通例となっておりました。これを英訳する場合、「A method of ....comprising the steps of: ~ing..., ~ing..., and ~ing...」とするのが一般的です。しかしながら、近年の米国明細書では、方法クレームでもthe steps ofを用いず、「A method of ....comprising: ~ing..., ~ing..., and ~ing...」とするものが増えています。どうやら、米国の知財系BBSによれば、stepを使用すると、順序が限定されると解釈されるおそれがあるという意見があるようで、そこらへんに気を使ってstepを回避しているようです。(追記:stepの記載によって順序が限定されることはない、という主旨の判例もあるようです。)実際には、ステップの順序が重要な発明もあれば、ステップの順序を入れ替えても成立する発明もありますので、ケースバイケースで判断してもいいのでしょうが、より広く解釈される(可能性がある)ステップなしクレーム形式の方が好まれやすい傾向にあるようです。英訳される予定の日本語明細書でも、ステップを使用せず、例えば、「~することと、~することと、~することとを含む方法。」と書いて、翻訳者にもステップを使用しないように指示した方が無難なのかもしれません。