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Google翻訳と守秘義務

 Google翻訳(GNMT)に関して最も悩ましい問題は、守秘義務の問題です。GNMTに原稿を読ませると、原稿は、Google社のデータベースに組み込まれると考えられます。発明報告書や出願前の明細書の原稿をGNMTに読ませた時点で、発明が直ちに公知になる(新規性を喪失する)と言えるのか。これは、現時点ではグレーゾーンだと思われます。出願前の明細書を翻訳することは、あまりないと思われますが、例えば、米国への第一国出願用の原稿が日本語で書かれ、これを翻訳するような場合も希にあります。このような原稿は、GNMTに読ませない方が無難だと思われます。  私たちは、WIPO、JPO、USPTOなどで公開されている特許公報、公開公報を使用してGNMTに関する様々な実験を行っています。もちろん、この実験は、将来的に、特許翻訳にGNMTを利用する可能性を探るための実験です。PCT移行用の翻訳では、原稿が国際公開されている場合が殆どですから、仮に、翻訳者がGNMTに原稿を読ませても問題はないと考えられます。出願済み、公開前のパリルートの翻訳では、GNMTを利用するデメリットを検討する必要があります。先に述べた、出願前の原稿については、GNMTの利用は危険と言わざるを得ません。  GNMTが優秀になるほど、これを利用しようとする翻訳会社、外注翻訳者も増えてくると思います。GNMTまたはこれに類するAIの利用をどのようにコントロールしていくべきかは、今後、特許業界全体で検討しなくてはならない課題になると思われます。

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