top of page

小さな大問題(1)

  • ito017
  • 2017年2月4日
  • 読了時間: 2分

 特許明細書では、「A, B および C」のように、名詞を列挙するフレーズが頻繁に出現します。これを英語に訳す場合、「A, B and C」とするか、「A, B, and C」とするか。つまり、andの前にコンマを打つか打たないか。些細なことのようですが、私はかれこれ20年近く悩んでいます(笑)。  このandの前のコンマは、The Oxford Style Manualが採用しているため、Oxford commaと呼ばれています。わざわざこのような大袈裟な名称が与えられていることは、一般的には使用しない人が多いことの裏返しでもあります。実際、英国では、Oxford commaを使用する人は少なく、米国では、ある程度普及しているようです。  結論から言えば、これは、好みの問題であって、正解はありません。英語の世界では、長年にわたって、採用派と不採用派に分かれて論争が続き、未だに決着が付いていない問題であります。私も、これまで、正解を求めて色々調べてきましたが、この問題はとにかくややこしい。  ですから、私は(ちょっと意地悪なんですが)、ネイティブスピーカーに英語について尋ねる場合、まず、このコンマについて質問するようにしています。この質問に対して、どちらかを正解と断言する人より、ウ~ンと考え込んでしまう人の方が、信頼できそうな気がします。

*本ブログでは「ネイティブスピーカー」という表現を用いています。日本では、英語を母国語とする話者を単に「ネイティブ」と呼ぶことが多いようですが、アメリカ人にとって、nativeは、native American (先住民族)を意味します。誤解を回避するためには、英語を母国語とする話者は、native English speakerなどと言ったほうがよいようです。

最新記事

すべて表示
産業日本語

特許業界では既にご存知の方も多いと思いますが、高度言語情報融合フォーラム(ALAGIN)と日本特許情報機構(Japio)が主催する産業日本語研究会が発行する「特許ライティングマニュアル」というマニュアルがあります。産業日本語研究会のウェブサイトから無料でダウンロードできます...

 
 
 
Terms and Conditions

英文契約書を読みますと、例えば、「terms and conditions=(条件)」、「costs and expenses(費用)」、「null and void=(無効)」等のように、同じような意味の言葉を併記する表現が多く出現します。これは、一説によると、ノルマン・...

 
 
 
小さな大問題(2)

先のブログでは、Oxford commaは、英国より米国で普及している、と書きましたが、これは、イギリス英語とアメリカ英語の違い、と言えるほど単純な問題でもありません。米国でも、ニューヨーク・タイムズをはじめ、多くの新聞社は、Oxford...

 
 
 
アーカイブ
タグから検索
ソーシャルメディア
  • Facebook Basic Square
  • Twitter Basic Square
  • Google+ Basic Square

Copyright© 2016 Ito Translation Office  All rights reserved.

bottom of page