Terms and Conditions
英文契約書を読みますと、例えば、「terms and conditions=(条件)」、「costs and expenses(費用)」、「null and void=(無効)」等のように、同じような意味の言葉を併記する表現が多く出現します。これは、一説によると、ノルマン・コンクエストの名残なんだそうです。11世紀に、イングランドは、ノルマンディー公によって支配され、支配階級はフランス語系、庶民は英語系という時代がしばらく続きました。その頃、厳密性が要求される文書では、両方の階層に意味がわかるように、本来の英語系の単語と、フランス語由来の単語
を併記する書き方が生まれたようです。 特許明細書でも、alteration/modification or change などのように、似たような意味の単語が併記される場合があります。翻訳の実務では、なるべく、単語毎に訳語をあてたくなるので、変更/修正又は変形などと工夫しますが、それぞれが明確に個別の意味を担っているわけではなく、全体として1つの概念を表している場合もあるようです。