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海外=外国?

 「海外」という言葉を英語に訳す場合、overseasという単語が最もしっくりきます。overseasとは、over the sea(海の向こう)という意味の造語だということは想像がつきます。単なる私の推測ですが、「海外」という単語は、明治時代にoverseasという英語を翻訳して生まれたのではないかと思われます。  「外国」は、foreign countryが一般的な訳語でしょうか。foreignには、本来「異質な」という意味があるため、日本語では、「異国」という言葉のニュアンスに近いかもしれません。したがって、foreignerという単語は、「自分たちとは違う異質な人々」という意味が込められているため、文脈によっては、差別的に聞こえることもあるようです。  さて、日本は島国なので、海外=外国と考えて差し支えないわけですが、大陸国家の場合、外国は必ずしも海の向こうとは限りません。そこで、同僚の米国人にアメリカでもoverseasを使うのか、と尋ねてみました。もちろん、アメリカでもoverseasという単語は普通に使われているようです。  「じゃあ、アメリカにとっては、メキシコやカナダは陸続きなんだから、overseas countriesとは言わないのか?」とアメリカ人に詰め寄ると、うーん、と考え込んだ挙げ句「元々英語が生まれたイギリスは島国だからなぁ」と誤魔化されてしまいました(笑)。  翻訳の仕事をしていると、ちょっとした単語について考え込んでしまうことが多々あります。

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